保険は個人再生手続きに影響する?―保険と個人再生1
※このコラムは、記事作成時点において当事務所が取り扱う個人再生事件に関する内容を記載したものです。財産の扱いや、申立における方針については、各専門家や裁判所によって異なることがあります。実際に申立てされる方は、担当弁護士や裁判所に確認したうえで手続きを進めるようお願いいたします。
各種保険が個人再生手続に与える問題
個人再生申立では、申立される方の収入から支出を引いた残額で再生債務を3~5年で返済できるか、毎月の収支で判断します。
現状では収支に余裕がない場合には、再生のため、家計費を減らす工夫が必要になります。家計節約のためには、毎月定額にかかる費用を削減するのが効果的です。
家族のいる世帯では、何らかの保険に加入していることが多く、家計費削減のためには保険の見直しを検討することも多いです。
ただ、やみくもに保険を解約すれば、思わぬ事故が起きたとき、さらに困ってしまうこともあるでしょう。
収支に余裕がない場合、終身保険などは解約するべきですが、賠償責任保険(自動車保険、事業賠償、個人賠償)については、ほんとうに解約しても良いかよく考えましょう。
次回以降、損害保険、生命保険、学資保険や火災保険など、各種保険が個人再生手続きでどう影響するのかなどを説明します。
(つづく)
保険は個人再生手続きに影響する?―保険と個人再生1
損害保険と再生手続の関係―保険と個人再生2
自動車保険の加入率―保険と個人再生3
個人賠償責任保険の財産価値と解約―保険と個人再生4
事業用賠償責任保険―保険と個人再生5
生命保険は残すべきか―保険と個人再生6
生命保険に関する必要資料―保険と個人再生7
医療保険は再生でどう扱われる―保険と個人再生8
所得補償保険は継続か、解約か―保険と個人再生9
学資保険の継続と再生手続き―保険と個人再生10
監修者情報
弁護士
吉田浩司(よしだこうじ)
専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)
2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。