財産状況等報告書―京都の基準4
財産状況等報告書を提出する場合
京都地裁で個人再生を申し立てる際に、大阪と違う点について、5回に分けて説明していきます。
京都地裁には、大阪ではひな形の用意されていない「財産状況等報告書」という書式があります。今回はこの書式を使用する場面を説明します。
【大阪の場合】
大阪地裁では、開始決定後、再生計画案を提出する際に、積立状況報告書を必ず提出します。
このとき、保有財産の状況(預貯金の残高、保険解約返戻金など)を出し直す必要はありません。
しかし、開始決定後に大きな資産を受領した場合(遺産相続、不動産売買)や、清算価値が大きく、返済総額に影響を及ぼす事情があるような特別な申立では、財産目録を再作成して再生計画案までに提出します。
【京都の場合】
京都地裁の場合、大阪とは違い「裁判所から積立の指示があった場合にかぎり」、積立状況報告書の提出が必要になります。
また、
(1)転職、結婚離婚、出産などで収入、支出状況が大きく変わった場合
(2)新たに財産が判明した場合
(3)その他最低弁済額や履行可能性に影響を与える事情が発生した場合
上記の場合には、「財産状況等報告書」を別途提出して報告する必要があります。
京都地裁では、申立時の財産目録とは別の書式で提出する必要があるのが特徴といえます。
※ このコラムは、記事作成時点での法令、各地の裁判所の運用に基づいています。実際に再生申立てを行う方は、担当弁護士や裁判所に確認したうえでご判断ください。
報告書と添付書類―京都の基準1
預貯金の扱い―京都の基準2
不動産の価値―京都の基準3
財産状況等報告書―京都の基準4
手続きに要する期間―京都の基準5
監修者情報
弁護士
吉田浩司(よしだこうじ)
専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)
2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。