不同意意見を述べる債権者―給与所得者等再生その4
銀行、信金、保証協会…方針決定は債権者を確認してから
全7回に分けて、「給与所得者等再生手続き」の特色について説明しています。
第4回は前回に引き続き、「不同意の見込まれる債権者」についてご説明します。
まず、前回もお伝えした通り、「公務員共済組合」が過半数を占める案件では、不同意による不認可が見込まれます。
そのほか、かつて(10年以上前)、各都道府県の信用保証協会(銀行融資保証)や、日本政策金融公庫(いわゆる旧:「国金」)は不同意の意見を出すとの情報がありました。
しかし、これらの団体は、必ず不同意意見を出すわけではありません。
あくまでも、収入・資産状況、借入からの期間などを考慮したうえで判断するようです。
都市銀行、地方銀行や信金・信組が不同意を出した例はこれまで当事務所ではありません。
信販会社(カード会社)は、時々、不同意の意見を出すことがあります。かつてはジャックス、オリックス・クレジットなどが資産状況、年収額と再生計画案を検討して不同意することが稀にありました。
最近は、楽天カード(楽天銀行)が不同意の意見を述べることが増えています。
サービサー(債権回収会社)は反対意見を出すことは少ないですが、住宅ローンのサービサーが不同意意見を出して再生計画が不認可になった事例があります。
当事務所では、不同意の意見が過半数に達する可能性が見込まれる場合、依頼者とよく相談したうえで申立の方針を決定します。
給与所得者等再生の実情―給与所得者等再生その1
給与所得者以外の利用者―給与所得者等再生その2
給与所得者等再生を利用するとき―給与所得者等再生その3
不同意意見を述べる債権者―給与所得者等再生その4
不同意の理由―給与所得者等再生その5
不同意で棄却された後は―給与所得者等再生その6
再生認可後の違い―給与所得者等再生その7
監修者情報
弁護士
吉田浩司(よしだこうじ)
専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)
2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。