家計について

個人再生に必要な収入

手取りがいくらあれば再生可能?

今回は個人再生における「収入」について解説いたします。

個人再生は、一定期間継続した収入が見込まれることを前提として、債務を減額してもらう制度です。そして、裁判所は、申立人の返済総額や生活状況に応じて、減額後の債務をほんとうに返済できるのか、「履行可能性が認められるか」について、1件1件慎重に判断します。

各裁判所では、収入や就業形態について形式的な条件を決めているわけではありません。したがって、パート、アルバイトやフリーランスの方でも個人再生を利用することは可能です。

ただし、個人再生では最低100万円という返済の下限があります。その返済のためには、生活費を除いて原則3年計画で約2万8000円(例外的に5年計画が認められる場合は約1万7000円)を毎月必ず積み立てられるだけの収入が必要になります。首都圏、関西圏の都市やその近郊では、一人暮らしで節約した生活を送っても、住居費、光熱費、通信費、食費だけでも15万円はかかります。これに加えて臨時出費や教育費、その他費用が嵩むこともあります。

このような支払条件を考えると、当事務所のご相談案件に限っていえば、手取り20万円を下回る場合、上記の返済積立金が用意できず、再生申立に至らないことが多いのが現状です。

しかし、(1)実家・社宅暮らしで支出が少ない(2)収入のある夫(妻)が返済に協力してくれる(3)将来の昇給が確実などの事情がある場合、現在の手取りが少なくても履行可能性が認められることもあります。

ご自身の収入状況でも個人再生できるか疑問のある方は、大まかな家計の収支を確認したうえで、一度当事務所にご相談ください。

 

監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。