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夫婦が同時に個人再生手続をするケース―自営業者の個人再生5

債務や保証、財産は誰の名義か

自営業者の方の個人再生手続に関する特集第5回は、夫婦が同時に個人再生手続を考える場合を取り上げます。

夫婦で事業を営んでおり、両方に借入れがあるようなケースが飲食店、自動車整備工場、工務店などでみられます。このような事業者のうち、夫婦併せて個人再生手続を希望されて当事務所に来られることがあります。

ご夫婦が破産手続ではなく、あえて個人再生手続を希望される目的は、自宅を残すことや事業を継続することにあります。夫婦併せて個人再生手続を行う必要があるかどうかは、事業の重要財産や自宅が誰の名義か、という点から検討する必要があります。

例えば、事業に不可欠な資産に夫婦いずれの名義もある場合、夫又は妻のどちらかが返済不能になれば事業が続かないので、夫婦併せて個人再生手続をする必要があります。

また、夫婦それぞれが借主となる、いわゆるペアローンで住宅ローンを組んだ場合、夫だけが個人再生手続を申立てても住宅資金特別条項を利用できず、結果的に自宅を残すことができず、夫婦併せて個人再生手続をする必要があります。

こうしたケースではなく、事業用資産又は自宅が夫婦の一方の名義のみである場合、夫婦ともに個人再生という難しい手続きを使う必要はありません。

事業継続、自宅の維持という目的のため、財産の無い夫婦の片方は、返済負担の軽減効果が大きい自己破産を選択するという方法もあります。

夫婦併せて債務整理手続が必要か、あるいは、どのような債務整理手続が必要か、個々の事情によって変化するため、一律に判断することは難しく、具体的に考える必要があります。

気になる方は、当事務所までお問い合わせ下さい。

 

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監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。