退職見込金が高額だと返済額が増える?―公務員の再生相談4
将来受け取る退職金の価値と再生手続
公務員の再生手続きの注意点、第4回です。
公務員は勤続年数が長い方が多く、今は現金を持っていないが、将来退職金を受け取る権利があるかたが大多数です。
退職金は将来見込まれる収入なので、直ちに資産にはなりません。
しかし、(自己都合)退職見込額の8分の1を資産として繰り入れなければいけません。
例えば、勤続年数が長く、1600万円の退職金が見込まれる方が個人再生を利用しようとすれば、1600/8=200万円の資産を持っているものと仮定されてしまいます。
再生で圧縮したい債務が合計800万円で、法律上の最低弁済額が800/5=160万円と試算される事案でも、退職見込金が1600万円の場合、返済額が200万円となり、40万円増額されるのです。
退職見込金が高額だと返済額が増える?―公務員の再生相談4
監修者情報
弁護士
吉田浩司(よしだこうじ)
専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)
2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。