給与明細の中身、ちゃんと見たことありますか?
給与明細の内訳項目
個人再生の申立てでは、給与収入がある方は裏付け資料として給与明細を提出します。今回は、裁判所や再生を手掛ける弁護士が給与明細のどの部分に着目するか、解説致します。
給与明細を確認することで、会社が支給額から天引き(控除)する項目と金額が分かります。社会保険料や所得税であれば特にすることはありませんが、以下の場合には注意が必要です。
(1)積立金
「○○会」などの名目で数千円~数百円控除されている場合、社内積立金の可能性があります。
目的は様々で、親睦会や旅行、慶弔見舞の資金として準備されているものや、自社の株式を買い与えるための積立もあります。
再生申立の際に重要なのは、「払戻予定のある積立かどうか」です。
従業員持株会のように個人の資産となるものであれば、現在の持株数を調べる必要がありますし、退職時に払戻しされる制度の積立であれば、現時点の積立金を証明もしくは算出する必要があります。
(2)保険料
会社で生命保険、損害保険に加入している場合があります。多くの場合、団体定期保険であり、解約返戻金はないのですが、一応、規約の調査などが必要になります。
会社や関連団体(組合など)からの貸付けについても、注意する必要があります。
これら社内貸付に関する注意事項は、以下の記事もご覧ください。
監修者情報
弁護士
吉田浩司(よしだこうじ)
専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)
2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。