不動産担保ローンと住宅ローンがある個人再生―債務について4
不動産担保ローンの扱い2/2
前回説明した不動産担保ローンの取り扱いについて説明します。
住宅ローン特約を使う場合、遅くとも個人再生申立時までには、不動産担保ローンを完済しておく必要があります。不動産の価値が住宅ローンより高額である場合、弁護士からの通知により支払停止をすると、不動産担保ローンの債権者は抵当権を実行する(競売を申し立てる)おそれがあります。
したがって、個人再生申立又は抵当権実行時までに不動産担保ローンを完済しておく必要があります。
(方法1)自分の財産で不動産担保ローンだけを先に支払ってしまう
自分の財産から支払うと偏頗弁済となり、清算価値が大きくなって再生計画の返済額が大きくなる場合があります。
(方法2)友人、親族等に手伝ってもらう
友人、親族等の資金で支払ったことを示す資料を残してもらいましょう。友人、親族は支払った時点で、再生申立予定者に対する立替請求権(求償権といいます)を取得します。これは再生手続きで債権として届けてもよいし、放棄してもよいです。実情からすれば、届出することの方が多いといえるかもしれません。
不動産担保ローンがあっても、個人再生はできるのか―債務について3
不動産担保ローンと住宅ローンがある個人再生―債務について4
監修者情報
弁護士
吉田浩司(よしだこうじ)
専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)
2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。